サラ・シャンティ通信 9月号
昨年から毎月第一木曜日に始まったレノンリーの武学が面白い。これは日本古来からある武学について、彼の著書「お辞儀のチカラ、礼と志の武学」にある紹介記事を以下掲載します:
「およそ2500年前から伝わる極秘の帝王学「武学」を追究した著者が礼と志の重要性を説き、お辞儀でモチベーションを上げ、活力と成果が得られる実践法を紹介します。
「志」とは個人の夢や目標ではなく、「世のため、人のために自分は何をなすべきか」という、人生の目的や進むべき方向です。その志を達成するための鍵になるのが「お辞儀(礼)」です。
お辞儀には、これまで一般には知らされてこなかった、人類の潜在能力を覚醒させる鍵が隠されているのです。お辞儀は古くは「侍の礼法」に含まれていました。侍の礼法では、たった5秒で心身の状態を整えることができます」
と云った礼法や姿勢など伝統的習慣、古武術の奥義、形稽古が伝える意義、言霊に秘められた身体術を解き明かしているのです。
私は45年近く杖道をやってきましたが、その稽古の中の礼法や姿勢に秘められている深い身体哲学に気づきませんでした。頸椎、胸椎、仙腸関節、尾骨をまっすぐに連動させると神経と血流に全循環が生まれる事が分かりました。武術、座禅や茶道などのお稽古ごとで背筋をまっすぐにする姿勢の美しさにも最善のパーフォマンスが生みだすことを身体論としてレノンリー氏は分かり易く解説するのです。
例えば頸椎の1番の最適位置を知るためにOリングを使います。首筋を伸ばして頸椎1番を高い位置に持っていくと、Oリングが開かなくなるのです。肩甲骨を開いて胸椎をまっすぐにしてOリングは開かなくなるのを確認し、その姿勢で45度のお辞儀をすると、前から頭を押しても体はどっしりして動きません。このようにレノンリー氏は姿勢が適正な位置に整うと身体能力が向上するという事を体感できることを色んな方法で指導されるので面白いのです。
こうした礼儀や姿勢の正しい意味と目的を古来日本は伝統として伝えてきた訳ですが、その伝統文化が戦後日本では失われてしまった訳です。私は杖道に出会えたお陰で、その形稽古を40年以上続けて来たおかげで奥義に触れることができ、新しい発見に出会えています。それは腰腹文化といわれる下半身の使い方ですが、その一つにナンバ走法があります。これを習得できてトライアスロンやフルマラソンが楽に走れるようになったり、有酸素機能の開発される意味がわかり、病気知らずの健康な体になりました。
30歳で杖道を始めて、摩耶山の「不動の滝」に毎週日曜日の早朝から行くようになり、般若心経と不動妙経を唱えるようになり、神仏習合の歴史を知るようになり、比叡山の千日回峰行者が般若心経を唱えながら走ることを知って、毎日の通勤の往復で自転車に乗る時に唱えるようにしまた。お陰で色即是空、空即是色の世界を理解し、囚われない心、執着心をなくすことを考えるようになり、「ありがとうございます」を唱えるようになり、子供の頃からの囚われていた課題が解決して、両親に対する感謝の気持ちが高まりました。
こうした修験道などの伝統的な行法を実践するために毎日の通勤自転車が役になった訳ですが、おかげで悟りの世界を理解するようになり、何事にも囚われない気持ちで会社勤めもでき、杖道やトライアスロン・クラブや協会の活動の世話役で、練習会の企画を練ったり会報を作ったりと活躍したり出来ました。そのお陰でサラ・シャンティが生まれた時に会報「出会い」を発行して文章を書き続け、後に著書「走りながら祈る」が生まれたのです。
日本の仏教の世界では座禅や読経や掃除が主体の生活をしますが、食事も玄米がゆ、沢庵,ゴマ塩だけの食事で90歳を超える生き方をしています。護摩供養でも30回の般若心経、100回の不動妙経を1時間で唱えます。こうした生活が日本人にとって一番健康で長寿を全うできる生活だと思って参考にしてきた訳です。